5月吉野ツアー

先週土曜日は吉野・川上村へ日帰りフィールドツアーでした。

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朝8時に大阪駅を出発。途中橿原神宮前駅で残りの参加者をピックアップし奈良県吉野郡川上村へ向かいます。
本当は中型バスですと、よりたくさんの方をお連れすることができるのですが、吉野の山の中は道が狭く中型が通行できないところがあります。
そのためマイクロバス+乗用車を使いなるべくたくさんの方に参加して頂けるよう努めています。

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車中は三澤康彦氏のレクチャータイム。
吉野の地理・歴史・林業の特徴など中身の濃いお話をたっぷりと。

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10時半に川上村へ到着し、280年生の杉山を見学します。
今回はウッドベースの中西社長(右端)にアテンドをお願いし、川上村の案内は昨年と同じ川上村の森口さん(中央)にお願いしました。
森口さんのお話は明快で木に精通している方からまだ勉強中の方までとても聞きやすいです。
お天気はあいにくの雨でしたがしっとりしていてそれも心地いい空気でした。
昨年は小一時間かけて山中を歩き380年生の杉を見に行きましたが、今回は道路から山の見学。
時間と体力に余裕が生まれた分、きれいな吉野の川辺も散策しました。

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吉野の山の地質は秩父古生層という栄養に富んだ保水性と透水性が良好な地質です。
かつ年間降雨量も2000ミリを越える地域。
こういった環境から淡いピンクの赤みが特徴的な色艶のいい吉野材が生まれるそうです。
きれいな川を見ながら妙に納得してしまいました。

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午前中たっぷり散策した後はお待ちかねのお昼ごはん。
雨は止みましたがまだ地面は濡れていたので川上木匠館の教室を借りてお昼としました。
初めまして同士の方も同じ感動を体感した後なのでもうすっかり打ち解けてしまいます。

午後からは宮滝醤油さんの蔵と樽丸くりやまさんで樽丸職人・大口さんのお仕事場を見学。

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吉野林業は元々「樽丸林業」と呼ばれ桶や樽用の材を生産することが目的でした。
そのため、樽の中に入れるお酒や醤油がもれないよう、ゆっくりゆっくり発酵するよう「密植林業」という施業で目の詰まった材を作ったのです。
樽用の材は2cm厚の板の間に5本以上の年輪があることが条件だそうですが、実際数えてみると7本も年輪が詰まっていました。

最後は吉野の製材所ウッドベースさんへ。
丸太を挽くところを見学させていただくことになっていたのですが、
MOKスクールの見学用に180~200年生の立派な5m丸太を用意してくださりました。
「せっかく来ていただくのだからこれぞ吉野材!というものを見ていただきたい」
という中西さんのお言葉はとても嬉しかったです。

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さて、この丸太から実はスクール代表三澤康彦さんが発注している尺版(梁成30cm)の芯去り材をとろうという計画。
なので三澤さんをはじめその場にいた全員がどんな材が出てくるかドキドキしながらの製材見学となりました。

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そして挽かれた材は片面無節のとてもきれいなものでした。
皆さん吸い寄せられるようにナゼナゼ(笑)「触りたくなる」って木の持つ魅力のひとつですね。


このように充実の吉野ツアー。予定通り吉野を後にして18時半大阪駅解散となりました。
皆様お疲れ様でした!


スクールでは年2回全国の林産地へ出かけ、座学では感じられない山と木と建築の勉強をします。
今回の吉野ツアーで感じたことも他の林産地を知ればまた違った角度で見えてくるかもしれません。
秋の岡山ツアーもどうぞお楽しみに。

2015年4月開講

4月25日(土)は2015年度初回の講義日でした。

今年も120名を超える方の参加をいただき、充実したスタートを切ることができました。参加いただいた皆様ありがとうございます。

【第1講義】
大橋好光氏(東京都市大学教授)
「木造の耐震設計の基本~大地震における被害を通して」


【第2講義】
安藤邦廣氏(筑波大学名誉教授・里山建築研究所)
「自然災害と木造住宅~東日本大震災における木造仮設住宅の建設を通して」


【第3講義】
パネルディスカッション
「安全で信頼できる木造住宅をつくるために~阪神・淡路大震災の教訓を生かして」
●パネリスト
安藤邦廣氏/大橋好光氏/三澤康彦氏
村上雅英氏(近畿大学教授)/阪口浩司氏(阪口製材所 代表)
●コーディネーター
三澤文子氏

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MOKスクールが20年目を迎え、節目の年のスタートということで第3講義は震災を振り返ってのパネルディスカッションを行いました。
奇しくも同じ日にネパールで大きな地震が起こり、改めて身が引き締まる思いがいたします。安全な木造建築物をつくる、常に真摯な気持ちで実務に取り組んでいかなければいけません。

12月

12月6日(土)は2014年度最終講義でした。

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最終講義はなんと130名超えの方が参加。
今年一番の多さです。

1講義目の講師は鳥取県智頭町の製材所㈱サカモトの 坂本トヨ子社長
そして岡山県西粟倉村で桧の家具をつくっている大島正幸さん(木工房ようび)

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智頭と西粟倉村は県は違いますが隣り合ったエリアでどちらも森林面積率は93~95%という地域です。

坂本さんは昔は樽丸林業で栄えた美しい智頭杉を今は現代のライフスタイルに合わせて川下側へ届けている方。
人気商品杉ブラインドの切れ端を利用したコースターをこの日受講された方へ1枚づつ頂きましたが
その際仰っていた「100年生きたものはちょっとでも無駄にしたくない」ということばがとても印象的でした。

そして大島さんも西粟倉の山と出会いヒノキの家具を作り始めたお話しから今後の展望まで終始「木」と「山」への想いがこめられたお話しでした。
家具業界ではある意味タブーとされていた針葉樹の家具作りにそれでも果敢に取り組まれたお話は
冗談を混ぜながらお話しされていましたが熱い熱い気持ちが入っていました。


そして2講義目は中村好文さん。

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関西に縁のある作品を紹介いただき、先日行われた金沢21世紀美術館での展覧会の様子をお話しいただきました。

また終盤は好文さんから「受講生とやりとりしながら講義をしたい」というリクエストで事前に募った質問にお答えいただきました。

とてもユーモアのある質問回答コーナーで皆さん楽しめたのでは。
以下、一部抜粋になりますがご紹介します。

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-家具と住宅の違いは?

大きい意味では変わらないと思います。だけど家具の場合はクライアントがいないですよね。
家具の場合は割と自主的なものだから僕がこうゆうものをやろうと思って始められる。そこが一番の違い。

-家具から住宅を設計する事はありますか?

それはないですね。住宅の設計と家具は平行してやっている。だけど何が先って言ったら住宅がある。

-改修は興味ありますか?

ありますよ。結構やっているんですよ。
最近も武庫川女子大で改修についての講演をやりました。


-小屋はどこかに移築するのですか?

山梨で農業を始める若い男性がいて彼が使ってくれることになりました。
あれは週末住宅や別荘でなく365日使ってくれないと意味がない。
誰か若い人に志を継いでもらいたい。だからいい人がいてよかった。


-普段どのようなものを見て目を養っていらっしゃいますか?
-(学生さんから)「働き出したら10年海外旅行に行けない」といわれました。行った方がいい旅行先は?

このふたつは同じ質問でも良かったかな、って思います。
僕はねすごく旅行が好きでいろいろなところに行って良かったなと思います。
旅行先はどこでもいいと思います。ただできるならひとりで行くのがいいと思う。女の人は大変かもしれないけど。
仲間と行くとこころが外に向いちゃって自分の中に向かないような気がする。
ひとり旅はどうしても自分との対話になって染みこみ方が違うんで。若いうちはひとり旅がいいと思う。

で、普段何を見て...という質問。何を見るかというよりはどれくらい注意深く見るかという事ですかね。
僕は若いころからスケッチをしていて、スケッチをするということはちゃんと見るということだから。
だから面白いんですよ。スタッフと現場に行く道すがら通り過ぎて「さっきの犬小屋は構造が悪かったね」っていうの。
するとスタッフは「見ていなかった」って言うの。僕は良く見ているの。
そういふうにしているとスタッフも癖がついて最近は結構よく物を見ている。
人も物も良く見ます。


-クライアントに初めてあった時どこに注目しますか?

えっと...財布の中身ですかね(会場:笑)

・・・冗談です。
今日も(クライアントが)来ているというのに逃げられてしまうかもしれない...。

えっと、やっぱり人柄じゃないですかね。
年をとってこの先何軒建てられるか分からない。
だから1軒1軒「この人のために!」と思う人のためにしかできないなぁと。

-設計料を教えてください

・・・これだぁれ??えっとね、時価です(笑)


-今一番行ってみたい街、もしくは見てみたい建物は?

僕ね、今イタリアが面白くてヴェネツィアが面白いなと思っているんですよ。
もう何度も行ってるんですが。
その前はフィレンツェが面白くて。でも今はヴェネツィアかな。
車が入ってこない街というのは時間の流れ方が全然違うのね。
それでヴァポレットという渡し船、水上バスがあっち行ったりこっち行ったり、あのリズムが2、3日から1週間いるとゆったりとした時間が流れてここちよい。
最初行ったときは観光客がごちゃごちゃいて「ヤダな」って思ったんだけど、ちょっと外れた裏通りを行くと庶民のくらしがあってすごくいい。それからヴェネツィアが面白くなっちゃった。

もしこれから行く人がいたらオススメなのはヴィエンナーレがやっている地区(アルセナーレ)からちょっと外れたところ。
その辺ってね洗濯物がものすごくいいの。
どの通りにも洗濯物がバーッと干してあるの。
それも5階くらいまで干しているの。すごくいいですよ。

この他にも楽しいお話しをたくさんいただきました。
両講義とも物と人を大切に建築に関わる講師の方のお話しだったと思います。


さて、今回で2014年度の講義は終了。
来年のカリキュラムは年明け2月頃決まるかと思います。
またたくさんの方にお会いできるのを楽しみにしています。

11月フィールド2

2日目

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朝は早起きして金毘羅宮へ参拝!
のはずが事務局は夜更かしして起きられずホテルの窓からお参り・・・とほ。
他の方は皆さん元気に往復2時間の散策を楽しまれたようです。

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で朝一番は再び山一さんへ。
昨日は日没後の訪問でしたので改めて製材部門の見学

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材の見せ方がとてもきれいで工夫されています。

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熊谷社長のアイデアで敷地内には数々の展示物が作られていました。
地域を盛り上げたい、子供たちに無垢の木に触れてもらいたい。
信念を持ってアイデアを行動に移す熊谷社長の試みに参加者皆さん刺激を受けたようでした。

そして後半は六車誠二建築設計事務所+六車工務店さんの物件見学マラソン。

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竣工物件1軒、施工中物件2軒、工務店のストックヤード、加工場、設計事務所兼誠二さんのご自宅
と盛りだくさんの内容。
新しいアイデアを設計者と施工者が何年もかけて形にしていく。
斬新でありながら成熟された試みをいくつも見学でき大満足のひと時でした。

11月香川ツアー①

11月15(土)16(日)はMOKスクール2014、秋のフィールドツアーでした。
行先は香川県。
少し高い山に登れば瀬戸内の海が見渡せる穏やかなところです。

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まずはジョージ・ナカシマ記念館へ

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館長の豊田さんに案内いただきました。流政之、ジョージ・ナカシマ、イサム・ノグチをつなげた金子正則知事のお話。ロックフェラー夫妻とジョージ・ナカシマの出会い、さらにはロックフェラー別邸にまつわる吉村順三、中村外二さんのお話し。豊田さんのお話しは興味を引く聞きごたえのあるお話しでした。

次はイサム・ノグチ庭園美術館へここは写真撮影禁止でしたので写真はありませんが
秋晴れの青空のもとイサム・ノグチの彫刻が絶妙のバランスで配置してあり気持ちのいい場を感じました。
アトリエに展示してある有名な「エナジーボイド」も圧倒的な存在感でした。

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そして次は四国民家博物館(四国村)へ。
四国各地から民家を移築して展示してある屋外博物館です。ここは見ごたえあります!

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スクール生の方に人気だったのはこの砂糖しめ小屋(中では牛が円形に歩きその動力を利用し石臼で砂糖きびを搾るそう)

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外観はかわいらしい円形の小屋ですが中の架構はなかなか高度な丸太組み。丸太の捻り方がすごい(ひどい?)

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その後は丸亀にある山一木材さんへ。
材木屋さんが情報発信するカフェ、雑貨屋さんKITOKURASを見学しそこで懇親会の場を用意していただきました。

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美味しい心づくしのおもてなしに大感激!

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香川の宴会にはかかせないという「打ち込みうどん」あたたかな大鍋を囲み人と人の距離がぐっと近くなります。製材所と設計者、工務店、住まい手のこれからの関係、無垢の木の良さをたくさんの人に知ってもらうという事を語りながら楽しい香川の夜はふけていきます(②へ続く)