8月

8月1日(土)は第4回目の講義でした。

■第一講義:辻 充孝 氏 (岐阜県立森林文化アカデミー 准教授)
「省エネ改修実践から見る住まいの快適性~温熱・省エネ設計の基本を学ぶ」

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■第二講義:岩前 篤 氏(近畿大学 教授)
「建築学から考える住まいと健康~温熱・省エネ設計の重要性を学ぶ」

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気温37度近くあった猛暑日、辻先生と岩前先生による温熱講義をお届けしました。

辻先生には実例2軒をご紹介いただながら温熱、省エネの基本をレクチャーいただきました。
どのような暮らし方が省エネにつながるのかご自宅で実践されている暮らしぶりも興味深かったです。


二講義目は温熱環境と健康を結び付けた岩前先生のお話。
ヒートショックをはじめ家の中は温度という見えないつまづきがたくさん。
豊富なデータを元に鋭い切り口で話される内容に改めて「快適に安全に暮らす家」とはどういうものか考える時間でした。


■第三講義:竹原 義二 氏(無有建築工房)
「五感に響く建築空間をつくる~素材・ディテールから木架構まで」

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2年前の講義の終わり
「福島で十八間蔵を改修した美術館を設計している。アールブリュットの作品を扱った面白い美術館になるよ!」
と宣伝されて帰られた竹原さん。
講義の前半はその「はじまりの美術館」についてたっぷりお話いただきました。

後半は木架構について。
構造家の下山聡さん、田辺の山長商店さん、技術力の高いパートナーを得て竹原さんの建築は近年大胆な架構が魅力となっています。
実例を交えながら架構についての考え方を熱く語っていただきました。

7月

7月4日(土)は第3回目の講義でした。

■第一講義 : 森田一弥氏
「時をつなぐ建築空間をつくる~職人の手跡を感じるディテールを追求して」

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古い町屋を改修する、古い町並みに新しい建物を建てる、そのなかで現代と過去をどう繋げるか?
京都を拠点に活動されている森田さんのお話はロジカルでとても分かりやすかったです。
ひとことで新しいもの、古いもの、と区分せず、
様々な角度から見た「新旧」を重ね合わせ落ち着きのある空間を創りあげる。
実例を紹介頂きながらその設計手法についてお話いただきました。

■第二講義 : 川口通正氏
「素材に呼応する建築空間をつくる~素材・ディテールから木架構まで」

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川口さんの建築がどのように創られるのか?
細かな情報まで惜し気もなく公開してくださり、皆さん食い入るように聴講されていました。
材料について、工法について、デザインについて、
深く勉強されているのはもちろん、現場で職人さんから学び実践を大切にされているのが印象的でした。

「僕の設計する建物は難しいけど誰でもできるものにしています、
名工に任せて保険をかけるよりも、チャレンジする人に仕事をお願いしたい。
その方が未来に繋がりますから」

真摯に語られることばが響きました。

■第三講義 : 中村義明氏
「上質な木造建築空間を創りあげる~大工職人のあり方を追求して」

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たくさんの方が期待し、楽しみにしていた講義。
親交のある安藤忠雄氏とのお話、
ロックフェラー邸建築時のお話、
俵屋旅館をはじめ中村外二工務店の仕事について、材料について。
お話は多伎にわたり100分の講義時間中、名言が数々飛び出しました。
皆さんそれぞれに大切なことばがみつかったのではないかと思います。
貴重で濃密な時間となりました。


今回も100名を超える方の参加をいただき、充実した一日でした。
参加いただいた皆様ありがとうございました。

6月

6月6日(土)は2015年度第二回目の講義日でした。
毎年、6月は「改修」をテーマにカリキュラムを組んでいます。

今回も100名を超える方の参加をいただき、充実した一日でした。参加いただいた皆様ありがとうございます。

【第1講義】
スクール主催者である三澤康彦さん、文子さんの講義。
「最高の木造住宅をつくる方法~つくる技術と 治す技術をどう鍛えるか」

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おふたりそれぞれの近作の中から改修事例を紹介いただき、康彦さんからは設計者が木材の段取りし現場に支給する流れを、文子さんからは住宅医の活動についてもお話いただきました。


【第2講義】
水谷隆明氏(阪神ターマイトラボ)
「シロアリの生態から見る床下の科学~予防としての住宅メンテナンスを学ぶ」

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住宅医で人気の白蟻についての講義ですがスクールでは初めて。
白蟻の生態から被害事例、駆除予防方法の紹介を化学的に分かりやすく説明いただきました。これまでの経験から白蟻についての定説をことごとく「あれは嘘!!」とおっしゃる様子に受講生の皆さんも興味津々、といった様子でした。


【第3講義】
築出恭伸氏(ツキデ工務店)×羽根信一氏(羽根建築工房)
「工務店が取り組む木造住宅改修術~京町家+大阪長屋の再生から学ぶ」

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第三講義は工務店社長コラボ講義。
設計者である築出社長には京都、奈良での古民家改修のお話、町屋の改修におけるルールと作法についてお話いただきました。
また、羽根社長には大工目線で改修についてのお話をいただきました。
問題のある住宅をこれから誰が治すのか?若い大工さんの育成と技術力の継承について真摯にお話されたのが心に残りました。

5月吉野ツアー

先週土曜日は吉野・川上村へ日帰りフィールドツアーでした。

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朝8時に大阪駅を出発。途中橿原神宮前駅で残りの参加者をピックアップし奈良県吉野郡川上村へ向かいます。
本当は中型バスですと、よりたくさんの方をお連れすることができるのですが、吉野の山の中は道が狭く中型が通行できないところがあります。
そのためマイクロバス+乗用車を使いなるべくたくさんの方に参加して頂けるよう努めています。

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車中は三澤康彦氏のレクチャータイム。
吉野の地理・歴史・林業の特徴など中身の濃いお話をたっぷりと。

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10時半に川上村へ到着し、280年生の杉山を見学します。
今回はウッドベースの中西社長(右端)にアテンドをお願いし、川上村の案内は昨年と同じ川上村の森口さん(中央)にお願いしました。
森口さんのお話は明快で木に精通している方からまだ勉強中の方までとても聞きやすいです。
お天気はあいにくの雨でしたがしっとりしていてそれも心地いい空気でした。
昨年は小一時間かけて山中を歩き380年生の杉を見に行きましたが、今回は道路から山の見学。
時間と体力に余裕が生まれた分、きれいな吉野の川辺も散策しました。

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吉野の山の地質は秩父古生層という栄養に富んだ保水性と透水性が良好な地質です。
かつ年間降雨量も2000ミリを越える地域。
こういった環境から淡いピンクの赤みが特徴的な色艶のいい吉野材が生まれるそうです。
きれいな川を見ながら妙に納得してしまいました。

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午前中たっぷり散策した後はお待ちかねのお昼ごはん。
雨は止みましたがまだ地面は濡れていたので川上木匠館の教室を借りてお昼としました。
初めまして同士の方も同じ感動を体感した後なのでもうすっかり打ち解けてしまいます。

午後からは宮滝醤油さんの蔵と樽丸くりやまさんで樽丸職人・大口さんのお仕事場を見学。

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吉野林業は元々「樽丸林業」と呼ばれ桶や樽用の材を生産することが目的でした。
そのため、樽の中に入れるお酒や醤油がもれないよう、ゆっくりゆっくり発酵するよう「密植林業」という施業で目の詰まった材を作ったのです。
樽用の材は2cm厚の板の間に5本以上の年輪があることが条件だそうですが、実際数えてみると7本も年輪が詰まっていました。

最後は吉野の製材所ウッドベースさんへ。
丸太を挽くところを見学させていただくことになっていたのですが、
MOKスクールの見学用に180~200年生の立派な5m丸太を用意してくださりました。
「せっかく来ていただくのだからこれぞ吉野材!というものを見ていただきたい」
という中西さんのお言葉はとても嬉しかったです。

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さて、この丸太から実はスクール代表三澤康彦さんが発注している尺版(梁成30cm)の芯去り材をとろうという計画。
なので三澤さんをはじめその場にいた全員がどんな材が出てくるかドキドキしながらの製材見学となりました。

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そして挽かれた材は片面無節のとてもきれいなものでした。
皆さん吸い寄せられるようにナゼナゼ(笑)「触りたくなる」って木の持つ魅力のひとつですね。


このように充実の吉野ツアー。予定通り吉野を後にして18時半大阪駅解散となりました。
皆様お疲れ様でした!


スクールでは年2回全国の林産地へ出かけ、座学では感じられない山と木と建築の勉強をします。
今回の吉野ツアーで感じたことも他の林産地を知ればまた違った角度で見えてくるかもしれません。
秋の岡山ツアーもどうぞお楽しみに。

2015年4月開講

4月25日(土)は2015年度初回の講義日でした。

今年も120名を超える方の参加をいただき、充実したスタートを切ることができました。参加いただいた皆様ありがとうございます。

【第1講義】
大橋好光氏(東京都市大学教授)
「木造の耐震設計の基本~大地震における被害を通して」


【第2講義】
安藤邦廣氏(筑波大学名誉教授・里山建築研究所)
「自然災害と木造住宅~東日本大震災における木造仮設住宅の建設を通して」


【第3講義】
パネルディスカッション
「安全で信頼できる木造住宅をつくるために~阪神・淡路大震災の教訓を生かして」
●パネリスト
安藤邦廣氏/大橋好光氏/三澤康彦氏
村上雅英氏(近畿大学教授)/阪口浩司氏(阪口製材所 代表)
●コーディネーター
三澤文子氏

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MOKスクールが20年目を迎え、節目の年のスタートということで第3講義は震災を振り返ってのパネルディスカッションを行いました。
奇しくも同じ日にネパールで大きな地震が起こり、改めて身が引き締まる思いがいたします。安全な木造建築物をつくる、常に真摯な気持ちで実務に取り組んでいかなければいけません。