スクールOB生の活動紹介06

お久しぶりの更新です。
第6回は自ら工務店を立ち上げ自身が「いい!」と思う木の家とそこでのライフスタイルを発信し続けるあの方です。
工務店社長の顔、現場監督の顔、アイデアマンの顔、たくさんの側面を持ちながら、そこには「面白いことしかしない」という姿勢が根底に流れているインタビューです。


obactivity05-img01.jpg スクールOB生の活動紹介 No.06
名前...居藏宏幸(いぐらひろゆき)
職業...工務店経営者
所属...株式会社 藏家
初回スクール受講年...2013年~

これまで

広島県竹原市生まれ。
人生のひとつの転機は小学6年生の夏休みに訪れました。
母親から「買い物に行こう」と誘われ、言われるがままついていくとそこは大阪。
当時父に嫌気が差した母が、実姉の居る大阪へ子どもふたりを連れて家出をしたのでした。
一緒に大阪へ連れてこられた姉は翌日父の元(広島)へ帰り、僕はそのまま母の元に残ることに。
突然家族がふたつに別れ、それ以来母子家庭で育つ事になりました。
普通ではないのかもしれませんが、特に苦労をしたとも思っていませんでした。
保険の代理店をしたり、女手ひとつで息子を育てた母はガッツのある人で、
その母の存在は多少なりとも今の自分に影響を与えているかもしれないと思います。

obactivity06-img02.jpg

母と

工業高校の電子工業科に進学していた高校3年生の時に
進路を相談した母から「建築はどう?」とアドバイスを受けましたた。
僕が子どもの頃使っていた机のマットに姫路城の写真を挟み込み将来の夢は「お城を建てたい」と言っていたらしくそれが記憶に残っていたようでした。
今思えば人生の分かれ道はそうやってささいなことで選択されていくように思います。

そこから、大阪芸術大学付属大阪美術専門学校に進学。
在学中に浪速短期大学の通信教育(夜間)を受け、卒業後、大阪芸術大学の2回生に編入しました。

在学中は決してまじめな学生ではなかったと思います。
よく卒業できたなと思う。
ただ、友達は沢山いて、そのために学校に行っていたようなものでした。

毎日のらりくらりとしていましたがいつかなにかで独立したいとだけは思っていました。
そこは事業をしていた父親の影響があったのかもしれません。

大学卒業後は、設計がしたくてリフォーム会社に就職しましたが、
最初についたのは外壁塗装の飛び込み営業・・・。
高い目標を設定され、休日も無く契約が取れずに怒られる毎日はとにかく精神的に鍛えられた半年間でした。

その後、念願のリフォーム設計部に異動しましたが
現場が分からず指示されるままパソコンを操作しているだけの自分には、生みの喜びも苦しみも感じられず、将来の不安を感じてきました。
「現場を知りたい!」と一念発起し会社を退職し
大工の職業訓練校に1年通うことにしました。
手を動かしながらモノをつくることは学ぶことが多く、また友人にも恵まれました。
現在、藏家のメインの棟梁である米倉くんや藏堂の木工職人である中楠さん、
このふたりは訓練校時代に出会った仲間です。

obactivity06-img03.jpg

訓練校時代 右手前が居藏さん、上の右から2人目が米倉さん、真ん中が中楠さん

訓練校を卒業後は現場監督の仕事一筋。
いくつかの工務店でお仕事をする中で
自然素材を使った家に出会います。
「こんな家がつくれるんだ」と衝撃でした。
知れば知るほど木の家の魅力に引き込まれました。
当時担当したお客様からこんな一言をいただきました。
「あなたが担当でよかった!もう家が建って終わってしまうのが寂しい」と。
あれ以来、僕はその言葉をもう一度、何度でも聞きたいと思って仕事をしているように思います。

obactivity06-img04.jpg

お客様と

※居藏さんの「これまで」実はもっと奥深く、ご自身のHPに詳しく書かれています。
 続きは↓からどうぞ。
https://kura-ya.net/other/igurajikosyoukai

Q&A

Q:MOKスクールを受講して変化、影響を受けたことは?
A:人に会いに行ってる部分が大きかったかな。
自分はひとあたりがいいよいうで好き嫌いははっきりしています。
自分のフィーリングが合う人と交流を深めるタイプかもしれないです。
いろいろな出会いの場の中でもMOKスクールは志を同じくする人がたくさんいたし、同年代の仲間が多かったので刺激をもらえました。
そこから仕事につながったことも数多いです。

Q:変な話、木造や自然素材にこだわらなければ居藏さんはもっと儲けることができるのではないかと思うのですが、その辺りどうですか?
A:お金が欲しいなら建築じゃなくて違う仕事をしていたと思います(笑)
新卒時代は外壁塗装の飛び込み営業をしていました。
突然ピンポンし、不安をあおり契約に持ち込む。
今思うとちょっとした悪徳業者だったかもしれないですね(笑)
営業は4カ月ほどしかしなかったけど月給が100万円近くある月もありました。
思えばいろんな職種を経験したけど、楽しかったか?というとよくわかりませんでした。
今は建てた後も住まい手さんだけでなく自分自身がずっと大切に思える本物の木の家を作りたいと思っています。コストで断念する素材があっても知恵と手間でどうにかしたい。そういう工夫が楽しいと思うんです。
もちろん経営者だから利益を残すことは大切、というか当たり前で。会社が存続しないと住まい手さんにもっと迷惑をかけるしね。
でもお金のためだけに働くのはしんどいし、それは経験しているからよく分かるんです。
面白いと思う仕事ならいくらでも頑張れる、だから自分にとって何が「面白い仕事」なのか常に意識しています。

Q:現場監督として大事にしていることは?
A:いい意味で職人のことを信じない。
人だから間違いはある。だから職人任せではダメ。
間違いも早めに気づけばお互いが楽でしょ。だから現場には結構な頻度で行きます。そうやって職人さんともコミュニケーションをとりたいと思っています。

有名現場監督なんていないように、現場監督は花形職業じゃないんです。
でも現場監督がいなければ現場はスムーズに進まない。
オーケストラの指揮者の役割みたいなもんだと僕は思っています。

20代の間は職人さんに対して「教えてください」というスタンスで接してきました。
それでも間違いは指摘しないといけないわけで、
「だめはダメ」「まぁいいか」は無しだと自分の中で線引きをしていました。
きれいごとを言うのは誰でもできるけどそれは誰のためにもならないと思います。

Q経営者として大事にしていることは?
A:お金だけを求めて仕事はしない。
職人さんもお客さんも含めて偉そうな人とは仕事をしない。
価値観の近い人と一緒に仕事をする。
これからの目標として感覚経営ももう少し計画的に、言葉にして周りの人に伝えられるようにしたいと思う。
あとは社員の成長と育成。少しづつ社員を増やしてみんなが助け合えるような会社にしたい

Q:ブログをとても丁寧に書いていますよね。
 自分の好きなこと、ものも発信する事が上手な印象です。

A:そうかな?(笑)
僕の頭は女性脳だと思うんですよね。建築も女性っぽさがある方が好きで。
そういう感覚的な所を包み隠さず伝えようとしているのかなぁ。
背伸びをする方がしんどいし、根が真面目じゃないのでキッチリとしたブログが書けないのかも(笑)
お客さんも友達という感覚で、もしかしたら仕事だけど遊びの延長くらいに捉えているかもしれないですね。
いつでも自然体でブログを書いています。結構ひとりで飲みながら書いたりしています(笑)お酒が入っている時が一番自然体なので...。
そうやって書いたブログだから見てくれていれば見てくれるほど、自分の感性に近いお客さんが向こうからやってきてくれるような気がします。

obactivity06-img05.jpg
これは気密測定の時の写真。
こんな写真を見てふざけてる!!と思った方はまず来ないでしょ(笑)

また、どこにでも書いているような事ではなく自分のフィルターを通してマニアックな性能や施工の事も書いています。
お客さんに興味を持ってもらえるきっかけになるかもしれないですからね。
現在の集客はブログ、Facebook、インスタグラム、メールマガジンからが主。
なので発信することは大切にしています。

Q:常に意識する人、ライバルとかいるの?
A:ライバルと言うのはおこがましいですが、小泉誠さんはすごいと思います。
プロダクトに対するアイデアとか大好きです。設計もしてすごいと思うし、本当に尊敬しています!

Q:今後取り組んでみたいことは?
A:10年以内にしたいことは自然食のお店をしたいです。
自分が自然素材の料理を食べたい、というのが1番の理由(笑)
実際できるかどうかは分からない。でもやりたいことはなるべく口にするようにしています。
常に「こんなことをしたい!」をノートに書き留めている。

obactivity06-img06.jpg

アイデアノート

大風呂敷を拡げる。そうすれば夢に近づけると思います。
最終的には藏ホールディングスをつくって情熱大陸に出たいと思っています(笑)夢ですよ、夢(笑)

Q:工務店と別に藏堂というwebショップを立ち上げていますが、そちらもヒット商品が沢山うまれていますよね。
A:いや、まだまだです。藏堂の商品を考えるのは建築の息抜きでもあるんです。
建築は好きやけどそればっかりしていると嫌いになるかもしれない・・・。職人の技術を世界に発信したいと思うんですけど、小さなものの方が世界に広めやすいでしょ(笑) そういうことは考えています。

藏家:https://kura-ya.net/
藏堂:https://kura-dou.net/